Wednesday, November 30, 2005

婦人の問題が、明治の開化期にまでさかのぼって再検討されることは、決して無意味ではない。同時に、きょうの社会現象のあれこれが、未亡人の官製全国組織に、かつて軍時貯蓄勧誘に尽力した某女史が再登場しているということまでふくめて、細密に観察され評価されてゆくことも、必要である。そして、双方ともにそれぞれの意義をもっている二つの研究にとって、最も大切なのは、そのどちらもが統一されて、わたしたちの明日に生かされるように摂取されることである。各項の情景が、もれなくとりそろえて描かれているというばかりの小説を、よむにたえる読者はいない。どんなテーマが、どのように読者の生きた共感に語りかけるか、そこに文学がある。婦人の社会生活についての諸問題を、現象に即し、歴史に即して語り、そこから必然に導かれる社会主義への展望で語ったとしても、それだけではまだわたしたちがきょうに生きている、この世界の現実に、日本の人民である婦人の善意として、プラスをもって働きかける力とはなりにくい。

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